第3回目は競輪のルールを解説します。
スポーツにはルールがつきもので、ルールが無い競技はありません。
そして競輪にはルールでは無いけど暗黙のルールというものもあります。
競輪の基本的なルールや暗黙のルールなど分かり易く解説します。
競輪の基本的なルール
初めて競輪をご覧になられる初心者の方は毎回走る人数が違ったり、3人のチームを組んで走ってみたり単騎(1人)で走ったりと訳が分からないと思います。
競輪は何人で走るの?
競輪は最小で5名、最大9名の選手が走ります。
- F1戦 5名~7名・・・A級.S級の選手
- F2戦 5名~7名・・・A級の選手のみ
- G1.G2.G3 5名~9名・・・S級の選手のみ
- GP(グランプリ)9名・・・S級の選手のみ
- ガールズ競輪 5名~7名・・・女子選手
F1.F2戦は7車立て、G1.G2.G3は9車立てが基本になりますが、落車や失格などで離脱する選手が多い時は5車になってしまう亊があります。
バンクの周回数は?
競輪場のバンク(レース用の滑走路)は333、400、500バンクに分類されます。
2000m戦の場合 F1戦などの一般レース
- 333バンク・・・6周
- 400バンク・・・5周
- 500バンク・・・4周
1600m戦の場合 ミットナイト競輪、チャレンジレース、ガールズ競輪
- 333バンク・・・5周
- 400バンク・・・4周
- 500バンク・・・3周
2400m戦の場合 G1の決勝戦
- 前橋競輪335m・・・6周 2035m
- 400バンク・・・6周
- 500バンク・・・5周
2800m戦の場合 競輪グランプリ
- 400バンク・・・7周
ラインとは?
競輪の予想をするうえで、もっとも重要なのはラインと言っても過言じゃありません。
ラインとは同地区の選手同士が隊列を組みますが、それぞれに役目があります。
例)3選手でラインを組む場合
- 先行(逃げ、捲り)・・・自ら風を切り風圧に耐えながらレースを動かす。
- 番手(追込み)・・・後方から追い抜こうとする選手をブロックする。
- 3番手(追込み)・・・外帯線の内側を走り、インコースを突かれないようにラインを守る。
3選手とも最後の直線ではゴール前勝負ですので、前に踏みます。
ラインの役割は選手同士の絆が深いほど強力なチームになりますので、予想をするうえで注目する必要があります。
さらに、強い先行選手の番手や長い隊列が出来た時は有利とされます。
違反・失格になる行為は?
競輪を見ていると結構な確率で失格になってしまう選手がおります。
車券を買っている側からしたら納得がいかないでしょう。
しかしかなりの上級者にならないと違反で失格かどうかの判断は難しいと思いますが、相手選手を落車させた場合は完全に失格になります。
違反とは・・・重大走行注意と走行注意の2種類で、選手が走行時に違反行為をした際に違反点が付与される。
失格とは・・・もっとも重いペナルティ。
代表的な違反行為
- 斜行・・・外側から内側に向けて斜めに走行して他の選手の進路を妨害する。
- 押圧・・・他の選手と並走した際、相手選手を内側に押し込む。
- 内側追い抜き・・・前方を走る選手を外帯線の内側から抜く。
- 押し上げ・・・他の選手と並走した際や捲ってきた選手に対し、外側に押し上げる。
- 過度牽制・・・スタート直後に先頭誘導員を追わず、けん制し合う。
外帯線とは・・・バンクの内側から2番目の線
先頭誘導員とは・・・おもに風の抵抗を軽減するためで残り1周半まで先頭を走ります。
イエローラインとは・・・バンクの中央からやや下方の黄色い線で牽制行為を防ぐ為に2003年から追加されました。
ちなみに先頭を走る選手がイエローラインの外側の走行は禁止されており一定時間走ると、失格になる場合があります。
先頭誘導員を追い抜くのも失格になります。
※ 失格および違反点数が一定数を超えた場合罰則が与えられます。
ルールには無い選手間の暗黙のルールとは
競輪にはルールには無い暗黙のルールというものが存在します。
例えばですが、相手の選手が捲って来たら番手の選手はブロックに行きますよね。
しかしブロックしなくても問題はありませんが、これが暗黙のルールになります。
だいたいの番手の選手はブロックをしますが、相手の選手が捲って来るスピード差があまりにも違ってブロックが出来なかったり、体力的に出来ない亊もあります。
元競輪選手に聞いた亊がありまして、何故あの選手はブロックに行かないのですか?の答えはブロックしたいけど体が反応しなくて、したくても出来ないとの亊でした。
年齢も大きく関係していて、チャレンジレースでは若手は20歳位~ベテランは60歳位の選手が一緒に走るのですから、これは納得が出来ます。
そしてラインという隊列が暗黙のルールではないかと私は思っています。
- 同地区でもお互いに仲が悪ければラインを組む必要はない。
- 先行選手を信じて付ききらない。(早々に先行選手に見切りをつけてしまう)
- 同地区の先行選手に付いているのにブロックをしようともしない。
- 世話になっている選手にはブロックは軽め。(先行して貰っているから)
- 競りに行かない。
暗黙のルールとは競輪道と深く関係しているのです。
競輪の奥深さはそんなところにあるのではないでしょうか。
独り言
暗黙のルールの続きですが、逆に気持ちが良いくらいに先輩を連れて先行する若手もいます。
失格を覚悟の体当たりでブロックにいく選手もいます。
ルールではありませんが選手の間ではちゃんとしたルールなのでしょう。
自分の為に風を切って先行する後輩を庇う為なら失格覚悟で止めに行く。
これこそが競輪道だと思います。
気持ち良いくらいに先行する若手はだいたいが強くなっていますが、自分のレースをしてしまう選手は残念ながら長く持ちません。
自分のレースをしてしまう=信用されなくなってしまう。
これでは番手に付いた選手もブロックしないで縦に踏んでしまったり、早々に切替えてしまいます。
しっかりと番手の仕事をしてくれたら、安心して先行選手は逃げる亊が出来るし、一生懸命に先行して貰えれば番手の選手にもチャンスが生まれる。
お互いが勝つ為には暗黙のルールがあればこそなのではないでしょうか。
まとめ
今回は基本的なルールと暗黙のルールについて説明をしましたが、暗黙のルールの解説は何と難しいのだろうと思いました。
結局は暗黙のルールも選手によっても違ってくるでしょうし正解は無いと思います。
基本のルールと暗黙のルールを少しでも理解するとより深く競輪を楽しむ亊ができるので、分からない亊があれば調べてみて下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。 タツキ